「わたくしの中でも同じことが起きています」


「いったい、どちらが優勢なのだ」


「わかりかねます、王子」


「ならまだよい」


 今度は安堵の目で王子は彼女を見た。


「君が結論を出した時が、終わりのときだ」


「終焉、ということですか?」


「だって君は邪眼、私はオオカミ男、落ちのびる先はない、いや、そこは地獄と決まっている」


「地獄……参りましょうとも」