「野猿のようでしたよ」
それがなにか? と、なにも気にしない言い方。
「君の友人は大変だったろうな……」
「なにが仰りたいのでしょうか」
「いや……想像してみたのだ。いったいどんな子女が木に登って野を駆けずり回るのか、とな」
リッキーはむせかえって咳き込みながら胸を叩いた。
「ああ、すまん。ひょっと、思いついてな。深い意味はない」
それよりも、と、王子は付け加える。
「こいつはだれにも秘密にしておかなきゃならない。城下でも宮中でも」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…