「きょ、恐悦至極、で、ございます」
慌ててポットをテーブルに置き、直立不動の姿勢を崩さず、反り返らんばかりに胸を張った。
「それだ、今は文句を言うところだった。うぬぼれるな、ってな」
へろっと笑うので、てっきり逆の方向へ性格が反転したのかと思った。
「着脱可能だといいですね、そのアタマに生えた羽根」
「イヤミか、大成功だな。ムッときた」
「正気に戻るときがないと後始末が大変です」
と、ハーヴティーをこぼしたテーブルを拭くべく、たたんだ布巾を取り出した。
「君の大層できあがった物言い、さては子供の頃は相当だったろう」