いったいなにごとかという目で王子の歩みを見守りながら、リッキーはおさえていたドアを閉めた。


「君もそうなのだろうだから、話すのだが、これを見てくれ」


 リッキーはその額の青い印を見てとり、人払いを頼んだ。


「これは心が反転する呪いだ。どうして気が付かなかったと悔やまれるが、いったいだれがこんなことをしたと思う?」


 リッキーには心当たりもなければ、思い当たる出来事も全くなかった。王子は一人、力説する。


「だって剣と学問だけしてた私が町の広場で竪琴奏でるって妙だろう?」


「ボク、わたくしはいつからか樹に昇れなくなりました。お城に上がるときも成り行き任せでした。そして男性が怖くなりました」