「同感よ」


 マリアはリッキーを引き戻し、雨戸を閉めさせると、少女の髪を編み込む手を休めずに、言った。

 リッキー自身はしばらく我慢していたが、


「アッ、そんなに髪をひっぱったら痛いよ」


「女の子はこんなこと、いつものことなの。恋の神様の護符を編み込んでいるんだから文句言わない!」


 リッキーはほとんど母親の物言いに近いモノを感じ取っていたが、自分で髪を結った事がないのだ。しかたがない。


「それは……ありがとう」
「どういたしまして」