大きなため息。


「ほとんど毎日、リンゴパーティだ」


 うんざりだ……というため息まで伝染しそうだった。

 しばらくリンゴを見るだけで吐き気がしたそうな。


「ボクも、同じ料理を何日も出され続けた事があります。しかも母は未だにボクの好物だと勘違いしてて」


「そうか。なんで親ってああなんだろう」


「いえいえ、ボクは王子様級では……」


「言っておくがあれ以来、うかつなことが言えなくて、学校へもろくにゆけなかった」


「それは……お寂しかったでしょう」