「そうだ。私には君がいたな」 王子は彼女をひきよせ、強く手を結んだ。 アレキサンドラは王子の手に持つ長剣の柄を共に握りしめた。 「うあああー!」 二人の手からまばゆい光がうまれ、追い風が吹いた。 飛び込んだ先には、力尽きようとする怪物が、もがこうとして断末魔をあげた。 痛みに体中を引き裂かれたのだ。風は天へと彼の軀を運んだ。