大事な想いを伝えようと、諭すように不器用な兄が言う。


「今弱いからといって、縮こまっていてどうする。おまえの器はその程度か。そんなもので私は倒れないぞ……おああー!」


 未だひとの姿をとる彼と、人生パッとしない大蛇が火花を散らしてにらみ合った。


『ハウリングリボルト!』


 呪文は同時だった。音の共鳴で相手の内臓に衝撃を与えるワザだ。身体が大きければ中身も強いというわけではない。

 倒れたのはマグヌムだった。


「おまえ、これくらいの術を、まだ完成させていなかったのか」
「マグヌスはいつもそうだ……俺にはできないことをいつもし、出鼻をくじく……俺の身体の毒まで洗ってしまった……」