「一週間のうち何回か母直伝のパックをして眠っていたからね。よければ母の店でものぞいてみてよ」


「のぞくのぞく!」


「はしたないわよ、リリー。でも私も見てみたいわね。できることなら」

 リッキーの言う「店」というのは「美容とリラックス」をかかげた高級エステである。

 店の外観こそキノコのようでかわいらしいが並ぶのは高級品の香水やリボンや石けん、お香、お化粧品、ハーヴなど嗜好品の数々。会員にでもならないとまず手が出ない。

 十代やそこらの少女が憧れはしても、気軽に入れるものではない。


「だって、マリア。リッキーの勧めで来ました、っていったら、少しは融通してくれるかもしれないわ」