「リッキー、まぶしいわ」 今までで一番、交流のあったリリーがため息をつく。 「もう、私達より先に花乙女になるのね。うらやましいわ」 自然、リッキーの髪をくしとくマリアの手に余計な力がこもる。 「ああ、もし私が花乙女になったら、真っ先にサフィール王子に求愛され、王様には贈り物を貰って一年間の間、おもしろおかしく戯れるのよ」 それじゃ、いつもと同じじゃない、というその場にいた全員の心の声はマリアには通じない。