死人に口なし、とまではゆかないが、なにか息をひそめねばいけないような、厳粛な気持ちにさせられた。


『よくぞ、参られた』


 粛々と天国の門番が胸をはって突っ立っている。

 天国の門は人一人、くぐるのに足るぐらいにしか開かない。真実、狭き門、とはこのことだったのだ。

 しかし、辺りにマグヌムの魂のオーラが感じられない。


「彼はどこ? 魂ごと乗り込んできたはずよ。門番さん!」


『確か……カルマ値がひどく低下している大きいが弱った魂が必死で昇って参った。しかし、地上での鍛錬を重ね、徳の力をつけなければ門はくぐれない、と蹴り出した』