「そいつは結構。遠慮しとくぜ、永遠にな」
その声は地面から響いてきていた。王子達は石像相手に逃げ惑う。
主にクリスチーネが力を発揮し、敵を将棋倒しにして動きを封じていた。
茶目っ気があるだけじゃないのだ。
だが、マグヌムが油断した隙に地面から腐った匂いがし、暗い、じめっとした空気と共に、轟音が響き渡った。地面に口が開いたとでもたとえるべきか、石庭全部が大きな穴のようになって、中でも黒い触手のような長く細い手が伸びて彼をとらえようとした。
なにごとかぶつぶつ念ずるような無数の声さえ聞こえてきた。
「マグヌス、こっちだ」
と、王子が言うのに、言うことを聞かない。