りん! 風が吹き。

 りりりん! 道が開けた! 左右に門扉が重々しく開けた! これだ!

 通路にある宝石を並べたガラスのコレクション棚がそれを示していた。


「いいわ、これで進める。クリスチーネ、今度は二回から三回よ」


『ああ、これで希望がわいたってものさ』


「また勝手に自縄自縛に陥ったりしないでね。地獄だからこそ、明るさを忘れちゃ駄目なんだわ」


『ん、わかったよ。え、と、次は、二回から!』


 りりん! 花園が現れる。

 りりりん! そして、道が!

 歌声が聞こえる……