アレキサンドラはピンときた。
「彼らはどこ? いまはどうしているの? 地獄からまぬがれたのじゃないの?」
『そこまでは、俺だってしらねーよ』
「でも、あれじゃあ、どうなってしまったのか、わからない。わかりっこない」
『一緒に城内まできたじゃねーか。あとはなんとでも、みんな自力でどうにかするさ』
「怪しいわ。大岩砕きの彼と涙のマドンナ達の力でやっと救われて、これから二人の協力抜きでどうなるの? まさかまた地獄に舞い戻る、なんてことは……」
『ないない、平気』
クリスチーネは精いっぱいの真実を語ったが、その内容には自信がなかった。
自分を頼ってきたならともかくとして、そこいらで勝手に苦しんでいるだけの亡者にいちいち、救われる方法を教示するなんて、おかしな話だし、ボランティアするほどパワーが余っているわけでもなかった。