『悪女めいてきた』 「なにか?」 『うううん? 何か聞こえた? 俺は感謝してるぜエ。運命の女神リリアの祈りが届いたみたいだ』 「母がなにか?」 『いや、こっちのこと』 ぷるぷると震えながらクリスチーネは首を振った。 「じゃあなぜ、そんなにおびえているの?」 『これは、えーと。俺、ちょっと……ションベン』 「クリスチーネ、女の子がそんな言い方を……仕方ないから、素早く行ってきなさい。ちゃんと戻るのよ」