彼女はハンマーを避けたがかすめられた耳の横がじんじんとした。クリスチーネを見ると、なにやら掛け時計をながめてる。彼女はクリスチーネに、何かわかったのかとたずねた。


『見ない方が良いよ。時の囚われ人達が、この中に閉じ込められている』


「助かる見込みは?」


『ゼロだ。悪霊化してて、手に負えないよきっと』


「悔しいな」


『あんなものみて、本当にそんなこと言えるかなア』


 それよりも、と彼女は大きく立派な掛け時計を示し、クリスチーネに言った。
「この時計、針を動かせる?」