なんとなくむさ苦しい。大きく開けた大広間に出た。いったいどこの扉がどちらへ向かっているのだかわからない。そして大きな掛け時計がひとつ。扉は三つ。

 試しに、ひとつの扉の前に立ってみる。

 すると、ブーンとうなりがし、頭上からハンマーが降りてきて、アレキサンドラの頭を打ち砕かんとした。

 他の扉ではなにもおこらなかった。掛け時計は、ぼーん、と一つなった。彼女は直感的に暗号の意味を察した。


「つまり、地獄の奥に行くには、この道でいいってことね」


 彼女は扉の前に立ち、ハンマーがふってくる前にノブを回した。がちゃがちゃと鳴らす。


「開かない!」