王子、と心が騒ぐ様子のアレキサンドラ。急がなければ、彼らはずっと足止めを喰らっているばかりか、地獄の主に喰われてしまうに違いない。
「いくわよ、クリスチーネ」
『ええっ、俺もー?』
「あなたの大切な、たいせつな主はだれ?」
はっとして、彼女は勇気を振り絞った。
言ったのがアレキサンドラだったからかもしれない。クリスチーネは『恋愛』と『勝負』の女神候補なのだ。恋する乙女の決意を無になんてできない! そして今が勝負の時だと知った。
二人の乙女はあの不気味な石庭を後に、再び城内へ飛び込んでいった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…