(一、三、二、三、いち、さん、にい、さん……)


「間違えると二度と、会えない、のね?」


「わかってんならいいんだ。正直二人をあきらめろと言うのはつらい。だけど回廊の中は迷宮なんだ」


「ね、あなた知ってる?」


 アレキサンドラは案内人から聞いた暗号を教えた。


『こりゃまた、たまげたぜ。地獄の主に従順なあいつが、そこまで肩入れするとは』


「じゃあ、間違いないのね?」


『ああ、だが一度あそこへ入って戻って来た者は居ない』


「この暗号も、どのように読み解くのかわからない」