「取り消す。全力で取り消すから、あの変態から遠ざけてくれ! 頼むー!」
「命がけとはこのことだな。よし、約束も取り付けたし、このまま共に帰路へ!」
『あいつの約束って、アテになるのか?』
「苦し紛れにしか見えないけれど……」
女子連は先に城外へ逃されたけれど、王子達は違った。どうしたわけか、いつまでもそこでぐずぐずしている。互いに向き合いながら、相手の目を見ないでぶつぶつ呟きかわしている。
『いっけねー、あのじじい、本気で逃がさない気だ。呪いかけやがった!』
「今の回廊を戻りましょ」
『無駄だ。一見すぐそこに居るように見えるが、そこへたどり着くにはいくつもの回廊の中から、正しい道を選ばねばならない』