「そうであろうが」
ならば身体のちょっぴりぐらい、喰わせてもかまわぬじゃろ、と身を寄せてくる。マグヌムはとっくに改心していて、玉座の傍らから駆け降りてきて二人に助けを求めた。
「泉へ、泉へ連れてってくれ。もはや俺には行き場所などないのだから」
「マグヌスが喜ぶが、それでいいのか、おまえは」
「我慢する。今まで乞われてその場に居た試しはないのだ。俺を求めてくれたのはおまえ達だけだ。頼む」
風は良い具合に吹いていた。
「私を無能、低能扱いしたこと、取り消すか」
「王子、いくら何でも、今ここで言うことでは……んんー」
王子はアレキサンドラの口を手でふさいだ。