「わたくし達は彼と再び闘うために、まかりこしたのではございません。黄泉の国から、彼を取り戻すために参ったのでございます。確かにわたくしたちは彼の命を奪いました。しかし、それを悲しむ者もあったのでございます。その者とはマグヌス。マグヌムの兄です!」


「なっ、マグヌスが?」


 驚くマグヌムは意外そうで、少し、うれしそうだった。


「そうだ。マグヌスがだ。おまえが戻るのを待っている。泉の、ウロボロスの沈む泉の前で。冥府の門の前で、いまか、まだか、とヤキモキしている。言っておくぞ。彼は人の姿を維持するのが精一杯で、すでに憔悴しきっている。命が危ない。心痛だ。このままでは、おまえが何をしていても、なにもしなくても、きっとこの地獄で再会するハメになるだろう」