「ばかだな」
王子は言った。


「なに?」


 彼がちょっと色めき立つと、助け船が王子にもたらされた。


「うむ、ワシもそう思うぞ。友よ、世界が滅んだら、われわれは共食いをして生き延びねばならず、大きな身体を持つ者ほど、多くの犠牲を求め、この闇の夜の国も滅びるのだ」


 そういう主は二人を見て、そのバランスを壊して、新しい国でも造りに、乗り込んできたのかと思ったらしい。だが二人は違うようだ。マグヌムはだだっこのようで論外。


「そんなことになるのなら、今はちょっと落ち着いて、のんびり悪魔が徴収してくる魂を、さしだしてくるのを待つのがよい」