「いやだね。兄貴がハバをきかせてるんじゃ、あそこに戻ったとしたってアソべない。俺はちっとも楽しくない」


「その、マグヌスが、自己の役目を放棄してしまうほど落ち込んでいるんだぞ」


 ええ? とマグヌムは顔をゆがませて不平を訴えた。王子は唇を噛んだ。


「なにやってんだ、あいつは」


 言わなければ善かった、言うべきではなかった、と王子はマグヌムの態度に、地上で待つマグヌスにすまなく感じた。


「ふん! そんなことか! あいつはそのまま滅べ! 世界ごと。ぐうっふっふっふ。はっはっはっは」


 王子はその言葉を聞いて、己の未熟さと、届かぬ言葉の苦しさに心に思った。