棗は少し不機嫌そうに文句を言っていた。 確かに、遅い。 海なら、一番最初に来てくれると思ったのに。 それから20分ぐらい経っても来ない海。 本当に来ないのかな。 すると、海の近くの坂から下ってくる一つの自転車と人。 そこには海が乗っていた。 「海―!!遅いよー!!」 そういって、葵はまだ泣いているような声だったけど叫ぶ。 棗は少しホッとしたような感じだ。