声が震えていたあたしのお父さんはきっと携帯も震えているだろう。


『東京へ明日来い。』


「なんで、よ。」


東京へ来いと言われたあたしは目の前が真っ暗になった。


嫌だよ、行きたくないよ。


特に、良馬さんがいるなら尚更。


あんな酷いことされたのに、いけるわけないじゃない!!


怖いのに、東京へ行ってしまったらあたしはまた闇に落ちてしまうかもしれないのに…


『いいから、来なさい!!命令だ。』


きっと選択肢は「はい。」じゃないと、毎日何十回も電話してくるに違いない。


あの人の性格上そうだ。