棗は珍しく驚いた様子であたしのことを見た。


そして、あたしは海の方に指をさしたのだ。


「あの、天パ君に。」


「あの、バカ。」


そう言っては棗はため息をついていた。


「最近熱が続いてて、心配なんだよ。」


「そっか、あたしも今度お見舞いにいっていい??」


「皐月なら、美咲も喜ぶかもな。」


そうやって棗は優しく笑ったのだ。

そう言って貰えると、凄くうれしいな。