あの海と泊まった晩。


棗の耳には聞かされたいなかったらしく、なんか棗がキレていた。


まぁ、確かに急すぎるのも悪かったけど、あんなに不機嫌な態度を取られてしまうとかなり気まずい。


そもそも、何であんな不機嫌なのか全然分からない。


そこで、理由を聞いてみたところ「別に」と素っ気なく返されたのだ。


まぁ、その時点で自分の中でキレてしまったあたしは、棗とそれから一度も会話しないことに。



「はぁ…意味分かんない。」


「オレも殴られる意味が分からない。」


あたしが自分の席で呟いていると、隣の席は海だから海もなんか文句を言っていた。


「悪うございました。」


あたしは気持ちを込めないでとりあえず謝ってみた。