「皐月ちゃんと会わせれば、記憶が戻るかもしれないじゃないですか!!」


すると、明人さんは涙を流した。


そして震えた声で


「一回お見舞いとして会いに行ったんだ…。そしたら記憶のないことを利用してアイツのことが好きだったモデルが5歳の子供を連れて…」


まさか…


あたしは最悪なことを想像した。


記憶がないことを利用して、自分があなたの家族です。と偽ったということを。


「まさか…偽った…??」


あたしも明人さんと同じくらい声を震わせていた。


すると、明人さんは声も出せないのか頷いたのだ。