ここにくるまではとても有り得ないことだった。


「うん、海には凄く感謝している。」


あたしは、少し頬を染めらしながら言った。


なんか、海のことになると凄く照れくさくなる。


「そっか、オレもあんなに女の子を大事にする海は今回が初めてだよ。」


「えっ??」


「だからさ、正直アンタらを見てると元気もらうんだよね。」


あたしは棗が少し照れくさそうに話す仕草が珍しいと思いながら見ていた。


「海はバカでしょうがない奴だけど、皐月となら上手くやっていけるよ。」

すると、ピンポーンとインターホンが鳴った。

二人が来たんだ。


「じゃ、オレ行ってくる。」


そう言って棗は下の階へ降りて行った。