そう、あたしたちは体育祭を控えていたのです。
スポーツは好きだけど、体育祭という運動は好きじゃない。
だって、球技とかないし、陸上競技ばかりじゃない。
「ん、皐月浮かない顔してるな。」
あたしの顔を覗き込んできた海は心配そうにこっちを見てくる。
「あんまり、体育祭とか好きじゃないし…」
それに、海は後夜祭出ないんだよね。
後夜祭だけはやってみたかったなと思ってしまう。
体育祭なんか中学校でやったことがあるけど、後夜祭は高校生にならないとないものだから。
「二人は後夜祭に出るの??」
あたしは、棗と海の顔を見つめ聞いてみた。
「…皐月は出たいの??」
棗は少し苦笑いをして聞いてきた。