気づけばあたしは走り出してた。


 何で叶なんかにあたしの気持ちが分かる。

 何で叶なんかに…。

 叶なんかに…。





 …あれ??





 叶って…。


 今日初めて会った人だよね??




 何であたしこんなに深入りしてんの??





 …やっぱり、今日のあたし、おかしい。





 …あたしの帰る場所なんて結局家しかない。



「ただいま」






「あぁ、和奏。
 早くお風呂入って。
 洗濯できないじゃない」




 そぅ言うあたしのお母さん。


「…うるさいな」




「…何、あんた。
 いーからさっさとお風呂はいんなさい!!」




「分かったよ!!」


 バンッ。

 あたしはお風呂の戸を思いっきりしめた。