病院を出て上を見上げると
空は私の心と違って
とても綺麗な青い空だった

その空が少しぼやけてきて
頬になにかが伝うのを感じた

わかっていた現実を
受け止めなきゃいけない

諦められないと言ったあの日から
心の底では少しずつ
諦めなきゃと思っていたのかも
しれない

これはそんな心のサイン
なのかもしれない

私はおもむろに携帯を開いた

みるとディスプレイには
不在着信が20件も入っていた

しかもツバサくんとリョウのが
交互に

「忘れてた・・・。」

私は最後に着信が入っていた
リョウに電話をかけた


プルルルル―


「ハナ!!」

リョウはワンコールで電話に出た

「あんた今どこにいんの?!」

「あ、昨日コウくんの携帯に
 アリサさんが発作起こしたって
 電話が入って
 それで二人で病院に行ったの。」

「そう・・。
 それでコウは?
 一緒に居るんでしょ?」

「コウくんは・・・
 アリサさんの病室にいる。

 私は先に帰ってきたの。」

「そっか・・・。

 早く戻っておいで。
 あんたの分も片付け残してあるから。」

「うん。」

私はリョウとの電話を切った