ガラガラガラ

「アリサ!!」

ドアが勢いよく開いたと思うと
コウくんが病室に飛び込んできた

「大丈夫か?!

 もう起きて平気なのか?!」

「落ち着きなって。
 まだ本調子じゃないけど
 平気だから。」

「そっか・・・。」

私は一言も発せず
二人をじっと見つめた

コウくんはたぶん
私の存在に気付いてないんだろう

いつの間にか
ベットのまわりには
二人の空間になっていた

私が入り込む隙は
どこにもなかった

何度かコウくんの名前を
呼んでみたが
振り向く事はなかった


「バイバイ・・・。」

私は小さく呟いて
病室をあとにした