「それが、俺がアリサに出来る
 最後のことだから。」


コウくんはやっぱりずるい

アリサさんが好きな気持ちを
コウくんを好きな私に話すなんて

私はコウくんから離れた

「なら、1分でも1秒でも長く
 そばにいないと。」


「ハナちゃん・・・」


「もう行って。
 私のことは気にしないで。」

「ハナちゃん、俺―。」

「また友達としてよろしくね。」

「・・・うん。」

私はそう言って
コウくんの元から
立ち去った

コウくんが追いかけることも
なかった


私は涙で霞んだ視界を頼りに
玄関へと向かった

しかし私は階段を下りてる最中
誰かにぶつかってしまった