「ほ、ほら!
 ツバサくんが呼んでるよ!!」

私はコウくんの背中をおして
グランドに戻した

私のこの行動に
納得がいかないのか
なにか言いたそうな顔を
していたが
何も言わずに
練習に戻っていった

コウくんはいったい
なにを考えてるのかな・・・

私はコウくんの行動
一つ一つに
ドキドキして
だからギクシャクしちゃう

いつもみたいに笑えない

『友達のコウくん』みたいに
接することができない

・・・ということは

コウくんは私を
『友達のハナちゃん』として
接しているから
さっき見たいなことが出来るんだ

コウくんのなかでの私は
やっぱり友達なんだ

わかってたことだけど
再確認すると
ちょっとつらいな・・・

私の目から涙が出てきた

「ハナー?
 ごめん、先生に呼ばれちゃって・・
 泣いてんの?」

「泣いてないよ!
 あくびしてたら涙でてきた
 だけだから。」

「ふぅーん・・・」

リョウは私が泣いてるのに
気付いてるようだけど
それ以上なにも聞いてこなかった

きっとリョウの優しさなんだと
私は嬉しくなった