まぁコウくん優しいし
受け取らないなんてこと
ないんだろうね・・・

私はそう信じて
その女の子とのやりとりを
見ていた

そして聞こえた
声は小さかったけど
はっきりと

「俺、好きな子以外からは
 受け取らないから。」


ドクン―――――――

女の子チョコを持ったまま
私の横を走り去って行った

目に涙を浮かべて

私はその場から
動くことが出来なっかった

だってあの言葉は
あの子だけに当てはまる
わけじゃない

私にだって当てはまる
言葉だから

私は動けずにただコウくんを
見ていることしかできなかった

そして振り返ったコウくんと
目が合った

そして
目が合ったと同時に
その場から私も走り出した