「なんかそんなんが
 毎回続くようになってきたら
 なんか男作るのが
 めんどくさくなってきて
 きっぱり止めたのよ。」


「すごいね、コウくん。」


「あいつ昔からバカでさー。
 でも、あの言葉を信じてくれたのも
 コウだけだった。」


「?」


「一回だけつらくて
 教室で泣いたとき、
 部活してるはずのコウがきたのよ。
 どうしたのかと思ったら
 『さっき野球部で聞いたけど
 付き合ってる男を取ったって
 本当か?』ってストレートに
 聞いてきてさ。」


「あー。
 コウくんならわかる気がする。」


「あたしも一瞬キョトンとしちゃって
 だけどこいつまでそんなの
 信じてんのかよってキレて
 『あたしはそんな女じゃない!!』って
 言ったら・・・」


「言ったら?」


「『わかってる』

 ただそれだけ言って
 また部活に行っちゃったの。」