「ごめん!!
一緒に作るとか言っときながら
なんか一人で作ちゃって。
私、集中すると
料理に限らずまわり見えなくて――。」
「あ、怒ってるわけじゃないのよ。」
「えっ・・・。」
「見てておもしろかったもん。
ハナ、料理してるとき
本当に色んな顔してるだもん。
最初はちょっと
面白くなかったけど
でもあんな顔見れたからチャラ。」
リョウの言葉に嬉しくて
私は少し泣いてしまった
「バカ!
何泣いてんのよ!」
リョウは服の袖で
私の涙を拭った
「だっでー。
リョウ゛がう゛れしいこと
言ってくれ゛るんだもん。」
「本当に泣きやすいんだから。
こんなことで・・・。」
「リョウ・・・。」
「なに?」
「友達になってくれて
ありがとう。」
私は素直な気持ちを
リョウにぶつけた
大好きなリョウ
私にはもったいないぐらい
大切な友達
「はいはい。
私の方こそありがとう。」
リョウは笑って
床に座り込んでいた私を
立たせた