「・・・。」
「俺、アリサに一ヶ月ぶりに会って
しかも発作起きて不安で
それで意識が戻ったって聞いて
嬉しくてその――――」
「いいの。
わかってるから。」
私はコウくんの言葉を遮った
これ以上
アリサさんへの想いを
聞いてたくなかったから
「だから俺、ハナちゃんに
恩返しがしたいんだ。」
「・・・?」
「クリスマスの時もそうだけど
こ、こんな俺を好きでいてくれる
ハナちゃんに何かお返しがしたいんだ。」
「え・・・。」
「俺に出来ることなら何でもする。
だからハナちゃんの言うこと
一つ聞くから。」
なんでも一つ・・・
言うことを聞く・・・
「じゃ、じゃあ・・・。」
「なに?」
「これからは私の事
『ハナ』って呼んでほしい。」
私はコウくんの方を向いて
上目使いの形で言った
コウくんは少し顔を赤らめて
わたしの耳元で
「ハナ。」
と呟いた。