「ねえ、イグアナもコモドドラゴンも地べたを這いずりまわってる。ところがよ、あたしのティーレックスは立つのよ。おっきいの!」



 ごとっと音がして、かっちゃんがゲーム機付属のコントローラーをフローリングに落とした。


 まあいいけど、乱暴にしないでくれる?



 俺は密かに聞いてみる。



「ねえ、なっちゃん、最近じゃティラノザウルスのことティーレックスっていうの?」



「ティラノ……なに?」



「ちなみにコモドドラゴンはわかるけど、コモドオオトカゲっていうのは?」



 なっちゃんは頷いた。賢い子だ。



「それ、コモドドラゴンの仲間でしょ」