相手は面食らって意味もなく頷いていたけど、我に返るのはボクより早かった。
「ああ、そうなの? 番号ついてるからと思ってたけど、こんなに早く持ち主が現れるとは思わなかったよ」
正直ボクは彼がこんなにもの柔らかだとは思わなかった。
「警察いくか学校のコンピューターで探すか迷ってたんだよね、念のためシリアル番号言ってみて? 持ち主なら言えるでしょ」
だめだ! ボクは振り返ってなっちゃんを視た。情けなかった。
「あの女の子がどうしたの?」
「シリアル番号を知ってる唯一の持ち主です」
「ああ、そうなの。よかったじゃない、彼女に聞いてきてよ」