同じ中学らしいが絶対力ではかないっこない。どうすれば……ボクは悩んだ。
なっちゃんが心ならずも手放さねばならなかった人形だ。
ボクが、庭先とはいえ、外へ持ち出してしまったせいなのだ。
とてもじゃなくっても、するしかない!
「ボク生きてると良いなあ……でも、ボクが悪いんだもの」
ボクはカラカラになったのどに唾を飲み込んで、『先輩』に話しかけた。
「ん? これ? どこだったか、角を曲がったとこで拾ったの。俺ってエコだよな? 地球のためになる男、成島のりおよろしくな!」
せっかくの自己紹介も無視してボクは先走って口にした。
「それ、知り合いの子の思い出の品なんだ。かっ、返してくれませんか」