天井と思わしき頭上を見上げて言った。



「あ!」



 かっちゃんは頬をおさえた。


 身を震わせて膝からくずおれた。


 なっちゃんは信じられない物を見た。


 灰色の雲の間から、黒い闇のつぶてが降ってきた。


 少女は少年の肩口にとりついて叫んだ。



「かっちゃん、にげよう」



 ところがどっこい。


 二人の前に、野太い丸太のような物がある。


 そして動く。うごめいている。


 じっとこちらを見ているかのようで、なにをしているのかわからないぶん、不気味だった。