と、いいつつボクはそんな犬の、傍若無人のわがままが好きだったりする。


 駄目親だな。


 そこでボクの全力で発した台詞をリピートされた。


『伝令』の『力』を宿しただれかの能力で。



『のりおはボクのもんだ。ずっと、ずっと、死ぬまで兄弟みたいに、仲良く暮らすんだ。親友なんだ。初めての……離すものかー!』



 なんだかこういうの、頭を傾げるくらい、はずかしいもんだなって思う。


「旅館開くんならクマノミを飼わないと」



 わざと論点をずらす。


 ハアッ? と子犬が鳴いた。


「大丈夫か? 風邪ひいたか?」