そういっていると、部屋の天井に暗い影が広がって、渦巻いてなっちゃんの身体を包んでしまうと、怒濤の時間のはざまへとぶっ飛ばしてしまった。


 あァ……俺がよくやる失敗だ。


 うちの家系はそうなのだ。



「あ、あたし初めて見た。あんた、どうしてそんなに平然としてるのよ?」



 姉だけは別なんだよな。他で才能発揮してるから。



「さあてね。今日はお赤飯だね、お母さん」



「ええ……でも、無事迷わずに還ってこられるかしら。あなたの『力』で観てやって」


「おっけ! むひょひょ、のぞきですか」


「当人達には知れないようにね」


「ナニソレ、気持ち悪い会話なんですけど」