「ボクとなっちゃんが良い関係になったとして、そのときおまえの目から見て、彼女が幸せそうに全然見えなかったら」
 


 そこに未来はないのだろうから、ボクは身を引く。


 そう告げた。



「ボクが彼女を愛するってことは……そういうことなんだ」



 のりおは、



「その程度か」



 と、言った。



 金だけあっても不幸な家はいくらでもある、と……



「いいか」



 のりおは言った。