恐ろしいことを。
多感な坊やを怒らせると怖いんだぞ。
ボクはキレるにはちょっとお利口さんになりすぎてしまったけれど。
こういう人間関係も役に立ってきた。
「失礼だが、親御さんはおられるのかな」
「兄がいます」
「泊まってゆきなさい。お家に連絡して。酒が入るとみんな長引くから……すまないねえ、君の歓迎会だというのに、大人は勝手だ」
「いえ、僕も大人の一員ですから。家には連絡入れておきました。遅くなると。泊まるとまでは言ってませんけど。とんでもないです」
のりおはこういう場面ではしゃれも言わずきまじめで、自分のことを『僕』と言って、父に気に入られた。