彼の私の名前を呼ぶ声がなかなか離れない。


なぜだか胸が高鳴る。


「ましろーっ!」


今度は高く品のある声が私の名前を呼んだ。


「よかったぁ、奈々いなくて不安だったよーっ」


私は思わず彼女に抱き着いた。


彼女の名前は『蕪木奈々』。

小学校からの付き合いだ。


所謂幼なじみってやつ。


奈々はとても可愛くて、いい子だと思う。


「よしよし。じゃあ行きますかっ!!」

奈々は1回私の頭を撫で、私は奈々から離れ2人で歩きだした。





彼が見ているとも知らずに…。