正直、好きな人に涙を見せないのが私のポリシーだった
から、奥村先生に涙を見せたくなかった。

グッと泣くのを我慢!

流れた涙は手で拭いた。



「先生ぇー何言ってるんですかー?泣いてないですよ!!」



私は苦笑しながら立ち上がった。



「目ぇ・・赤いぞ・・・」



先生はそう呟いた気がする。

小さな声だったから聞き取れなかった。



「とりあえず、社会科準備室に送るから落ち着いて。」


「はーい!」



奥村先生に涙は見せてはいけない・・・

それしかこのときの私は考えていなかった・・・






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